【今さら聞けない】KPIとは?KPIの基本知識と設定のコツ、失敗例などをご紹介!

経営支援コラム
経営者様
KPIのことをきちんと理解できていない・・・でも今さら誰かに聞くこともできない・・・

そういう方もいらっしゃるのではないかと思います。

私自身、広告会社で営業職としてい勤務していた当時、当時の上司から、

当時の上司
○○プロジェクトのKPIを設定して、一旦共有してくれる?

と言われた時、当初は

坪松 裕樹
ケーピーアイってなんだ????汗

と焦ったものです。

ひとまずGoogleで検索してみると、「KPIとは、重要業績評価である・・・」などと出てきているではありませんか。余計に私の頭の中は「???」マークだらけになってしまいました。

そして、自分なりに考えた「ケーピーアイ」とやらを上司に提出すると、

当時の上司
なんだこれは!!全然KPIになっていないじゃないか!!もういい!お前は使い物のならん!!

と怒られ、干されてしまいました

これが私のKPIとの出会いでした。それ以降「KPIアレルギー」になってしまった私は、「KPI」という単語を聞くのも嫌になってしまいました。

ところが、数ヶ月後に、友人からKPIに関して学ぶセミナーに「一緒に行ってみない?」と誘われ、行くことになりました。スピーカーの方は、ある大手コンサル企業でトップの営業成績を挙げ、当時は営業本部長を務められた方でした。

そのセミナーで学んだことを実践し、KPIを明確かつ具体的に設定していった結果、私のパフォーマンスは徐々に向上し、最終的には会社から「優秀新人賞」を頂くまでに成長することができました。

その後、KPIを適切に設定し、管理することによって、経営改善の経験を多く積み上げさせていただくことができたと言っても過言ではありません。

KPIアレルギーだった私にとって、KPIは今や「必要不可欠」な存在になりました。

今日は、私なりにKPIに関して以下の情報を、様々な事例を交えながらシェアさせていただければと思います。

  • KPIの基礎知識
    • KPIの定義
    • 事業の成功を定義する指標
    • 事業を成功させるための最重要プロセス
  • KPI設定の失敗例
  • KPI設定の手順やコツ

なお、

本記事は、以下のような方にオススメです。是非読者の皆様の何かのご参考になれば幸いです。

  • 事業を立ち上げたばかりの方
  • これから事業を立ち上げようとされている方(フリーランス含む)
  • 企業の経営企画に携わられている方
  • 今後起業のご予定がある方
  • 中小企業経営者
  • ベンチャー企業経営者
  • 経営について学ばれている方

KPIの基礎知識

KPIの定義

「KPIとは何か、説明できますか?」

こう問われて明確に説明できる方は、そう多くはないかもしれません。以前の私も、うまく説明することができませんでした。

まず、KPIという言葉の意味からみてみましょう。

KPIは「Key Performance Indicator」の略称で、「重要業績評価指標」と訳されることが多いです。

これを更に深掘りしてみると、KPIの本質的な意味がわかります。

Key Performanceは、つまり「事業成功の鍵」で、Indicatorは「指標(=数値目標)」ということになります。

つまり、KPIとは、「事業成功の鍵を数値目標で示したもの」ということになります。

ということは、KPIを設定する際、まず始めに定義しなければならないのは、「『事業の成功』とは何なのか」です。これが出来なければ、KPIを作成したり管理することは出来ません。

では、「事業の成功」は、どのように定義すれば良いのでしょうか?実は、KPIを上手く設定できていない殆どのケースが、この「事業の成功を上手く定義できていない」というポイントに当てはまります。

事業の成功を定義する指標

事業の成功を定義するためには、「KGI」のことを理解する必要があります。

KGIは「Key Goal Indicator」の略称で、「重要目標達成指標」と訳されることが多いです。

KGIは、つまり「最終的に期末に達成したい最も重要な数値目標」です。一概には言えませんが、例えば、企業全体だったら利益、営業部だったら売上、事業開発部だったらユーザー数、マーケティング部だったらリード数(問い合わせ数)などが挙げられます。

事業を成功させるための最重要プロセス

このKGIを達成するためには様々なプロセスがあります。例えば、「売上を月1000万円達成する」というKGIを設定した場合、「トライアル件数を増やす」、「成約率を上げる」、「単価を上げる=それに見合うようサービスの質を上げる」などのプロセスが存在すると思いますが、その中で「最重要となる唯一のプロセス」が、CSFと呼ばれる要素になります。

CSFは「Critical Success Factor」の略称で、「重要成功要因」と訳されます。つまり、CSFは、KGI達成につながる数々のプロセスの中で最も重要な唯一のものです。

この中でポイントなのが、「最重要で『唯一』」という点で、CSFは2つ以上存在してはならない、というのが基本的ルールです。以下がその概略図です。

そして、KPIとは、「CSFを数値化したもの」になります。

色々な略語が出てきて「???」となっている方もいらっしゃるかもしれないですが、ご安心ください。以下がKPI、KGI、CSFの関係図になります。

つまり、

  • 最終的な成功を意味する目標が「ゴール」を数値化したものが「KGI」
  • ゴールを達成するために必要な要素が「プロセス」で、そのうち最重要で唯一のものが「CSF」
  • CSFを数値化したものがKPI

ということになります。

KPI設定の失敗例

KPI設定の手順をご説明する前に、先に典型的な「失敗例」をご紹介したいと思います。

①「なんとなく」「とりあえず」設定してしまう

おそらく、これが最も典型的な失敗例かと思います。

私が以前コンサルティングをさせていただいた、ある飲食チェーン店の店長さんがいらっしゃいました。本部からは「今期のKPIを作って報告してほしい」という指示があり、「KPIが何か」を十分に把握できていない中で作ってみたそうです。

この店長さんは、何もわからない中で、「平日の売上が悪い」というデータのもと、とりあえず「平日に売上が上がるキャンペーンをうつ」ことをKPIとして挙げ、とりあえず実際にやってみました。そして「やったことがないけど、まずは最低7件くらいやってみよう」というなんとなくの目標を設定して進めていました。

ところが、これを行った後に数値が悪化し、早急に改善することを求められましたが、対策を検討しようにも、どう検討したら良いか分からない・・・という状況に陥ってしまいました。

上記を図にまとめると、以下のようになります。

上記の図のとおり、この店長さんは、設定や検討、実施、対策などに至るまで、「なんとなく」「とりあえず」という曖昧なな状態で進めていたのが特徴です。

そして、重要な要素が抜け落ちています。先述の「KGI」や「CSF」を一切設定できていません。これでは、「事業の成功とは何なのか」「成功に導くプロセスの中で最重要(かつ唯一)なもの」という、事業を遂行するにあたって最も重要な要素が一切定義できておらず、上手く前進できないのも当然と言えます。

②自分でコントロールできない指標をKPIに設定する

もう一つのよくある失敗例は、「自分でコントロールできない指標をKPIに設定すること」です。

例えば、「GDP(国内総生産)」や「景気動向指数」などが、その典型的な例です。どんなに日本を代表するような企業でも、その企業一つだけでGDPや景気動向をポジティブな方向に持っていくのは極めて困難(というかほぼ不可能)です。

これらの指標をKPIに設定してしまえば、文字通り「他力本願」で事業を遂行しなければならず、軌道修正が極めて困難になります。加えて、仮にそれで結果が出たとしても、自分でコントロールできない指標では「再現性」が極めて低くなります。また、その指標が悪化した場合はパフォーマンスも悪くなり、対策を打つことも極めて困難です。これでは下方修正するしか打ち手がなくなり、どうすることもできなくなります。

KPI設定の手順やコツ

では、KPIはどのような手順で設定すれば良いのでしょうか?また、設定のコツなどはあるのでしょうか?

以下はKPI手順の例です。この手順はあくまで私が実践してみて効果があったと実感したものなので、ご参考程度に留めていただき、読者のみなさまがカスタマイズをしていただければ幸いです。

ここで、私自身の例で恐縮ですが、上記ステップに合わせて具体例をご紹介したいと思います。私はフィリピンで不動産会社を社長職兼COOとして経営していたのですが、着任当時

STEP①:KGI確認

まずは、どのようなゴールを達成したいのか。これを最終的に「数値」、つまり「KGI」で明らかにしていきます。

私の場合は会社全体のゴールを設定する立場にあったため、「純利益」における数値が最終的なゴールとなりました。

着任当時の2018年は、通年で-1億以上の赤字を計上していたため、翌期(2019年)はそれを黒字転換することをゴールとし、「純利益+1000万円(フィリピンペソ→日本円に換算した場合)」を年間KGIとしました。

STEP②:プロセス確認

次に、KGI達成のために必要なプロセスが何なのかを確認します。

私及び会社にとっての課題は、「現状(着任当時)より1億円以上の利益をUPさせる」ということでした。

利益をUPさせるということは、当然売上をUPし、コストをDOWNさせることによって実現します。

さらにブレークダウンすると、以下のようなプロセスが浮かび上がります。

STEP③:絞り込み(=CSF設定)

プロセスを洗い出した後は、いよいよ「どのプロセスが最重要か(= CSF)」の特定&絞り込み作業です。

この際に重要となるのが、

例えば、私や会社にこれらのプロセスを当てはめると、こうなります。

この中で、コストDOWNについて解説しますと、

  • コストDOWN
    •  変動費を下げる
      • 営業へ支払う歩合は、会社で設定している歩合率がありましたが、固定歩合になっていたものを仲介手数料の増減による変動歩合にすることにより、営業部員のモチベーションを保持したままで結果的に歩合支払額を削減した
    • 固定費を下げる
      • 人件費:当時問題を起こしていた社員を現地労働法に基づき解雇したり、業務効率システムの導入などにより人件費を大幅削減
      • 広告宣伝費:成果に繋がっていなかったWebマーケティング費をカットし大幅削減
      • オフィス家賃:より小さいオフィスに移転したことにより家賃削減

なお、私が実施したコスト削減については、以下ブログに詳しく書いておりますので、よろしければ是非そちらもご覧ください。

【徹底解説!】コスト削減とは?コスト削減の基礎知識やメリットと、始め方

これらのアクションや業務改善システム導入などにより、最終的には年間のコストを約5,000万円削減することに成功しました。

ただ、コスト削減に関しては、少なくとも会社にとっては「最重要」ではありませんでした。というのも、コスト削減のほぼ全ての領域は、自助努力によって達成することが出来たためです。

従って、最重要プロセスは、売上UPの領域内に存在していました。

では、どのようにして最重要プロセスを定義すればよいのでしょうか?

ここで重要になるのが、そのプロセスが「変数」なのか「定数」なのか、という点です。

ここでいう「変数」「定数」は、

  • 変数
    • 自分たちが起こすアクションによって増減する数値
  • 定数
    • 自分たちがアクションを起こしたとしても増減しない数値

と定義します。

つまり「最重要プロセス」を決定する上で重要なことは、「必ず変数において設定する」という点です。

その理由は、先に述べたように、「自分がコントロールできない指標をKPIにすること」、つまり「定数となるプロセスをCSF(=数値化すればKPI)にすること」は、成果や結果が出にくかったり、再現性がなかったりするため、避けたほうが良いためです。

私たちの場合は、以下のような考え方でした。

  • 売上UP
    • 売買物件の問い合わせ件数→変数
      • 変数である理由は、会社のマーケティング活動(広告宣伝、イベント開催、PR、スポンサーシップなど)や営業部員の努力(人脈構築によるリファーラル獲得)で増減するため
    • 成約率→ほぼ定数
      • ほぼ定数である理由は、営業に対するトレーニングを実施することにより多少の変動はあるが、市場が(当時は)安定していたこともあり、基本的には通年で成約率に大きな変動が認められなかったため
    • 平均単価:定数
      • 定数である理由は、市場が(当時は)安定していたこともあり、売買価格や仲介手数料に大きな変動が認められなかったため

つまり、このケースでは変数である「問い合わせ件数」を増やす、ということが最重要プロセス、すなわちCSFになる、ということが言えます。

ここで注意したいのが、繰り返しになりますが、CSFは「最重要で『唯一』」のプロセスである、ということです。2つ以上のプロセスがあるとCSFとは言えません。

変数が2つ以上ある場合は、「どちらがよりコントロールしやすい領域か」という視点で最重要プロセス(CSF)を決めていきましょう。

STEP④:KPI設定

CSFを設定できたら、いよいよそれを数値化して、KPIとして設定していきます。

我々のミッションは、現状(利益ベースで-1億円以上の赤字)とKGI(利益ベースで1000万円の黒字)の間のギャップ、つまり利益ベースで約1億1000万円のギャップを埋めていかなくてはならない、というものでした。

このうち、先に述べたように、約5,000万円はコスト削減によって埋め合わせをすることができました。従って、残り約6,000万円を、売上UPによって埋め合わせる必要があります。

年間で6000万円の売上ということは、季節性などの要素は一旦除外して、

6000万円 ÷ 12ヶ月 = 500万円

つまり、月に500万円の売上を上げることが必要となります。

また、過去実績ベースで、

  • 単価 = 45万円(平均売価3000万円 x 仲介手数料1.5%*)
  • 歩留 = 5%(問い合わせ数に対しての成約率)

ということが分かっています。

これを数式に当てはめると、以下のようになります。

つまり、「1ヶ月に222件の問い合わせ件数を獲得する」というKPIを設定しました。

このように、数式にしてブレークダウンしていくことによって、CSFをKPIという形に数値化していきます。

STEP⑤:運用性確認&検証

KPIを設定したあとは、そのKPIの「運用性」を確認・検証します。

ここで言う「運用性」とは、KPIがいかに妥当であるかどうか、ということを意味します。

それだけだと抽象的なので、もう少し噛み砕いて説明すると、KPIの運用性は以下3つのポイントで判断します。

  1. 整合性:そのKPIがロジックとして正しいかどうか
  2. 安定性:そのKPIを安定的に獲得できるかどうか
  3. 単純性:現場のメンバー全員が理解できるほどシンプルかどうか

今回のケースで言えば、以下のような分析ができます。

KPI:「1ヶ月に222件の問い合わせ件数を獲得する」

  1. 「問い合わせ件数」は不動産売買で発生する売上のシーズとなるため、整合性が十分に存在する
  2. 1ヶ月222件の問い合わせ件数は、過去継続的に獲得していた100件弱の問い合わせに加え、「リスティング(Web上で掲載する物件)の数を10倍以上増やしたこと」、「これまで全くやっていなかったイベント開催を毎月2回実施すること」、「屋外広告や雑誌広告を載せたことによってオフラインの問い合わせ件数が2倍以上に増えたこと」、「営業担当のリファーラル数がこれまでの4-5倍の勢いで増えていること」などから、十分安定的に獲得が可能である
  3. 「問い合わせ件数」という最もベーシックな数値は非常にわかりやすいため単純性が十分に存在する

ここで仮に「整合性」「安定性」「単純性」のうち1つでも欠けている場合は、KPIとしての運用性に欠けるため、KPIの見直しが必要となります。

STEP⑥:事前対策検討

KPIの運用性が検証できた後は、そのKPIが継続的に未達あるいは単月で大幅な未達だった場合に打てる対策を事前に打っておきます。

KPI悪化の場合に打てる対策は、大きく分けて以下の通りです。

[/aside]
  1. 資金投下
  2. 人員投下
  3. ①と②の両方
  4. 現状維持
[/aside]

例えば、今回のケースで言えば、

  1. 資金投下:会社が取り扱う多数の物件を、「a. 広告宣伝をしなくとも売れる物件」、「b. 積極的な広告宣伝をすれば売れる可能性のある物件」、「c. 広告宣伝をしても売れる可能性が低い物件」などのグループに分けており、KPIが悪化した場合は「b. 積極的な広告宣伝をすれば売れる可能性のある物件」の広告露出を増やすことを決めていました。
  2. 人員投下:パートタイムのマーケティング担当の人数を増やし、オフラインマーケティングを中心に更なる問い合わせ件数を増やすことを決めていました。

そして、事前に決めておくべき重要なポイントは、「打ち手を打つタイミングで何をするか」です。具体的に言えば、

  • いつ
  • KPIがどれくらい悪化したら
  • どうするか
  • 最終判断は誰か

以上を事前に決めておきます。

以下が実際に私たちが事前に設定していた「KPIが悪化した場合の計画」です。「毎月XX日に、KPI数値がどれくらい」という軸で、それぞれアクションプランを作ってありました。

文字が細かくて読みにくいと思いますが、例えばある月の15日の段階で問い合わせ件数が90件だとすれば、

  • 月後半フリーペーパーでの広告露出
  • 屋外広告の掲出箇所増やす
  • 月後半SEM広告の予算を30%増加
  • SEO記事を3日に1記事書く
  • パートタイマー1-2名雇用

以上の対策を取ります。

ポイントとしてまとめると、

  • 月のどのタイミングにいるかによって、「このままのペースでいけばどうなるか」という視点で見てみる
  • その結果、「余裕を持ってKPIを達成できる」ことが分かれば、特に対策は打たない
  • 「資金投下」「人員投下」でどうにかなるレベルは、徹底的に対策を打つ
  • 「資金投下」「人員投下」でどうにもならないと判断したのなら、その月の予算やアクションを打ち切り、翌月に回す

という風になります。

なお、上記計画に対しては社長である私が事前に承認しておりましたので、これらのアクションを起こすにあたっての権限は、マーケティング部長に持たせていました。理由としては、マーケティング部長本人にKPIに対する責任を持たせ、本人が常に数値をトラッキングし、然るべき対策を前もって打つマインドを持って欲しかったことにあります。それによって本人もスキルアップが出来たようですし、私自身が毎回承認をする手間も省けたので、一石二鳥でした。

STEP⑦:関係者と事前合意

上記まで一通り終われば、あとは関係者全員とKPIに関して合意を取ります。会社の規模などによって誰が決済や承認するかは異なりますが、ポイントは「関係者全員」という点です。つまり、関係者が今期のKPIが何かと聞かれたら、全員がすぐに答えられるものでなければならない、ということが重要です。

そうなると、共有にあたっては、

  • CSFが分かりやすいこと
  • 数値が覚えやすいものであること

以上が重要なポイントとなります。

偶然にも、「月に222件の問い合わせ件数を獲得する」というゾロ目数値であったこともあり、関係者だけでなく従業員全員にとって覚えやすい数値であったことから、社内でKPIを聞かれたら答えられなかった者は、パートタイマーも含め一人もいませんでした

また、海外の場合は特にですが、「サイン社会」であることから、会社として「KPI合意書」を発行し、関係者全員がこの数値達成に全力を尽くすことをコミットすることを誓ってサインをしていました。このように会社としてオフィシャルな書面にすることで、よりKPI達成への意識が高まることもあります。

STEP⑧:運用開始

KPIの運用が始まってからは、数値を日々トラッキングして業務プロセスをモニタリングしてもらうよう、責任者を配置することが肝要です。

私の場合は、前述のとおり、マーケティング部長にその役割を持たせ、数値に対して責任を持って対策などを先取りして打つように指示しておりました。そして、僅かなボトルネックを見逃さないように伝え、少しでも異常がある場合は、私に前もって報告するようにしておりました。

STEP⑨:継続的改善

KPI数値が悪化した場合は、STEP⑥で立てた事前プランに基づいて、即対策を打ちます。事前に決めておくことによって迅速に対策が打てるので、STEP⑥は非常に重要なプロセスになります。

ただ、何度も未達が続いたり、改善案もワークしない場合は、改善案の見直しを速やかに行うことが重要です。それでも改善しない場合は、元々のKPI自体に欠陥がある場合が考えられるため、KPI自体の見直しが必要になってきます。

KPIを設定した後はどうすれば良いのか

KPIを設定した後に、KPIを達成する(=ひいてはKGIを達成する)ためにどのようにアクションを起こしていけばよいのか、具体的な計画を立てたいと感じられたかと思います。具体的なアクションを取ることでしか数値目標を達成することは叶わないため、それが最も重要なポイントだとお感じだと思います。

本記事はKPIの設定に特化した内容となっておりますので、KPI/KGI達成のための具体的なアクションプランの建て方については、以下記事に詳しく書かせていただいておりますので、そちらを是非ご参照ください。

【徹底解説!】KPI達成のための具体的アクションを設定する5つのポイント「SMART」とは?

まとめ

いかがでしたでしょうか?

まとめると、以下のようになります。

KPIは事業の成功を占う非常に重要な数値目標であり、業種や職種、事業規模、会社規模などを問わず、全ての事業にとって重要な指標となります。それだけに、設定の仕方を一歩間違えると、時間や労力や工数の大幅なロスに繋がってしまうため、是非上記に述べた内容を参考にしてKPIを組み立てていただければと思います。

また、ご自身の会社でKPIの設定をしたいが、どうしたら良いか分からない、という方もいらっしゃると思います。

エフィ・ビズでは、コンサルタント自身の経験や実績に基づき、これまで数々の企業様のKPI設定をサポートさせていただいただけでなく、そのKPI設定によって様々な成果に繋がった、という有難く嬉しいお声をいただいております。KPIの設定の仕方が良く分からない、サポートしてほしい、という方は、是非ご相談ください。

初回のミーティングは無料となっておりますで、以下からお気軽にご相談くださいませ。

なお、無理に営業するようなことはありませんので、どうかご安心ください。